Diary

本当に良かった


東日本大震災による被災地域の高齢者と子どもたちとのふれあいを通して孤食、生活不活発予防、高齢者の役割や生きがいを創出するために復興庁と日本栄養士会・宮城県栄養士会のサポートを受け、亘理町荒浜地区の方々をお招きし「ほっこり・ふれあい食事プロジェクト」を開催しました。以前の日記にも書いたかと思いますが、せっかくの機会ですので、行うからには単に保育園の給食を一緒に食べてもらうというようなことではなく、子どもたちと一緒に荒浜地区の郷土料理である“はらこ飯”を作ること、それを食べること、その他にも触れ合い遊びや歌を歌うことなど一人では経験できない時間を過ごし、辛い思いをしたけれど、生きていて良かった、自分たちが必要とされているということを再認識してもらうことをねらいとし、東京の栄養士会の方や亘理町役場の方と連絡を取り合い大枠の部分の準備をしましたが、僕は前日まで出張で園を留守にしなければならず、細かい部分の準備は年長の担任と主任のY先生にお任せし出張に出かけました。当日の朝、前日のうちに借りておいたマイクロバスを駆って仙台から荒浜へ向かい、参加者の方々とはらこ飯作りに欠かすことができない荒浜で水揚げされた鮭、亘理町の醤油といった材料を乗せ(載せ)保育園に・・・。バスの中で既に参加してくださる皆さんが遠足にでも行くかのように喜んでくださっていることが感じられたのですが、保育園に到着し子どもたちの大歓待を受けると一層笑顔が増しました。その後、いよいよはらこ飯作りのために鮭を切りさばく作業を見せてもらったり、あら汁に必要な野菜を切る作業をおばあちゃんたちと一緒にしたり夢中で取り組むこと約2時間。怪我や大きなハプニングもなく遂に完成となり、いよいよ参加者のおばあちゃんと一緒に食べることになりました。普段給食では絶対に提供されることのない“イクラ”たっぷりのはらこ飯に子どもたちも喜び、おばあちゃんたちも「美味しい・美味しい」と言いながら食べていました。そして食後に二階ホールで被災体験を話してもらったりプレゼントを渡したりしたのですが、その中で参加者の皆さんが涙を流しながら聞いてくださったのが「しあわせ運べるように」の荒浜バージョン!その裏にはこの難しい曲を数週間という短い時間で弾けるように練習してくれたN組のM先生の努力と存在、そして一生懸命に曲を覚えてくれた子どもたちがいます。そのお陰で参加者の皆さんから笑顔があふれたのであり、そんな先生たちと子どもたちがいてくれることが僕の自慢であります。この素晴らしい経験を今年度で終わらせることのないように今回の経験を生かし来年度も再来年度も続けていきたいと思います。たとえ復興庁や栄養士会の支援がなくとも・・・。
2015年11月17日(火) No.1689 (園長日記)

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