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驚いた事
先週の河北新報に、原発事故で汚染し処理のめどが立たない白石市の汚染牧草が福島県浪江町で被爆した牛を飼う「希望の牧場・ふくしま」(浪江町、南相馬市)に運ばれるという記事が掲載されました。この牧場で飼育されている牛は300頭以上。しかし食用出荷はできないため、募金や書籍販売の収益で餌代を賄っています。そんな牧場が、牧草の処理のめどが立たない農家に牧草の提供を求めたことで、大量の汚染牧草を保管する畜産農家の負担を取り除き、牧場側も常に不足する飼料を確保できる利点があるというのです。これまで被爆してしまったため殺処分されてしまった牛や餌がなく餓死してしまった牛がいたことも事実!その一方で「被爆したからと言って命を粗末に扱い、見捨ててはいけない。原発事故の生きた証しとして、寿命まで世話をしたい」という思いで牛を飼育している方がいる。何の罪も責任もないのにも関わらず、何も知らず(知らされず)放射能に汚染され処分できない牧草を食む(はむ)牛たち、そして、そうせざるを得ない牧場の方々の思いは如何ばかりでしょうか・・・。この記事を読んで言葉にできないとても複雑な思いになりました。
先週研修会の会場となった山形市などでは、この時期に河原で「芋煮会」をする習慣がありますが、山形の新聞には、花見シーズンに開花情報が掲載されるように「芋煮会天気情報」が掲載されていて驚きましたが、この山形県内の芋煮会で使われるお肉は宮城県の豚肉とは違い牛肉です。原発事故がなければ「希望の牧場・ふくしま」の牛たちは被爆することはありませんでした。そして芋煮会でみんなに「おいしいおいしい」と喜ばれ、食されたかも知れません。牛たちが命を全うした時、牛たちは様々なデータを収集するための検体となるのでしょうが、牛たちが生きてきた(生きていた)意味を人間たちにしっかりと示してほしいものです。
2015年11月02日(月)
No.1673
(園長日記)
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