Diary

昨日の続き


個人差はあるものの子ども(乳幼児期)の成長は年齢ごとに発達の特性・過程があります。そのため、保育者にはそのことを踏まえた(年齢にあった)関わりが求められます。そして、子どもの成長に大切な“遊び”にも特性・過程があります。生まれて歩き出すくらいまでは「一人遊び」の時期、3歳児くらいまでは同じ場所で同じような遊びをしていても、それぞれの遊びをしていて友だちと関わっていない「並行遊び」、2・3人で遊び始める「共同遊び・連合遊び」という時期を経て「集団遊び」へと変化していくと言われています。この「集団遊び」ができるようになると、保育者が一緒にいなくても子どもたちだけでルールを決め、遊ぶことが出来るようになったり、目的をもって遊ぶために役割分担ができるようになったりします。また、楽しかった遊びを翌日も継続して遊べるようになり、降園の際「また明日続きしようね!」と友だちと約束をして帰る様子が見られるようになります。
 さて、今日のことです、みんなより早く降園した5歳児M組のMちゃんがお迎えにきてくれたお母さんに「きょうね、N組とM組でリレーして楽しかったんだ。負けたんだけどね!」と嬉しそうに話しているのです。その様子は悔しさよりも心から楽しんだということが溢れ出しているだけでなく“今度は負けないぞ”という気持ちが感じられました。そんなMちゃんにポストを修理しながら「Mちゃんリレー負けても楽しかったんだ!?」と声を掛けると笑顔で「うん!」と応えるのでお母さんは大笑い。そこで「遊ぼう会では負けないといいね」と再度声を掛けるとまた「うん」と返事をしてくれました。「負けても楽しい」「うまくいかなかったけどまた今度やってみる」ということが子どもたちの心と身体を成長させてくれるのであり、日々の保育が楽しければ「また明日も昨日の続きをしよう」ということに繋がるはずです。「負けても楽しい」と言う言葉は、練習に明け暮れる“運動会”と日々の遊びの延長線上にある“遊ぼう会”との大きな違い・差からくるものなのかもしれません。また、このようなことは5歳児に限ったことではなく、昨日の夕方、園庭でゴザを広げ(和室)サイズがバラバラなべニア板(フローリングの洋間?)を上手に敷き詰めてお家ごっこ(ままごと)をしていた4歳児A組の子どもたちが今日も昨日に引き続き遊んでいたり、赤じそをおいしそうに食べていた大きな青虫(蛾の幼虫)名前はK君が付けた「と○こちゃん」を探す姿からも感じることが出来ました。
 そんな子どもたちの姿から、まだまだ自分の気持ちを言葉に表すことが出来ない子どもたちであっても、みんなが満ち足りた一日を過ごし「明日も昨日の続きをしたい」と思ってくれるような毎日・保育所でありたいと思います。何はともあれ、Mちゃんの言葉・つぶやきは園長としてとても嬉しいものであり、これで、遊ぼう会当日が一層楽しみになりました!
2015年10月06日(火) No.1653 (園長日記)

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