Diary

親の心子知らず!?


“親の心子知らず”という諺も意味は辞書など調べずにも誰もが知っていると思いますが、広辞苑を調べると「親の心を知らないで、子どもが勝手な振舞いをすること。」とあります。本来、親は愛する子どもを常に気にかけ思い続けているものですが、子どもがそんな親の気持ちに気づくには時間がかかるものですが、ともすると、それは親になってみないと気づかないのかも知れません。しかし、これは、もしかすると日本独特なことなのではないでしょうか?欧米では愛情表現がはっきりしているため親子関係に限らず、夫婦関係、そして恋人同士の間でもお互いの気持ちが通じ合っていて、“親の心子知らず”という諺は当てはまらないのかも知れません。では、この諺の親と子を入れ替えて“子の心親知らず”にして考えてみると「子の心を知らないで、親が勝手な振舞いをすること。」となります。親は本当に子どもの心を知っているでしょうか?ともすると、親は子どもを自分の所有物として考えてしまうことがあるのではないでしょうか?
 川崎で起きた少年による悲しい事件、この事件の背景や少年たちの心の中には何が潜んでいたのでしょうか。なぜ暴行を受けた我が子の変化に家族が気づけなかったのか、そして、未成年にも関わらず飲酒をしていたことになぜ誰も気づけなかったのか不思議でなりません。まさに、“子の心親知らず”の部分があったのではないでしょうか?この事件に関係した17歳、18歳の少年たちにも間違いなく保育園の子どもたちと同じ乳幼児期があったはずです。ということは、今、我々が関わっている子どもたちも、いずれ17歳、18歳という年代を迎える時期がくるのです。保育園においては、保育者が親であるとするならば、“子の心親知らず”とならないようにしなければなりません。そして、時に、“親の心子知らず”の親の部分を園長や先輩に置き換え、子の部分を、若い保育者に置き換えた時、そして、その反対に“子の心親知らず”も同様に子の部分を若い保育者、親の部分を園長や先輩に置き換えながら仕事をしたいものです。
2015年03月02日(月) No.1500 (園長日記)

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