Diary

無念


「目を閉じて、じっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら、終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず、裁きは神の領域。−そう教えてくれたのはアラブの兄弟たちだった。」
「そう、取材現場に涙はいらない。ただ、ありのままを克明に記録し、人の愚かさや醜さ、理不尽さ、悲哀、命の危機を伝えることが使命だ。でも、つらいものはつらい。胸が締め付けられる。声に出して、自分に言い聞かせないとやってられない」
いずれの言葉も、世界各国の方々が「I AM KENJI」のカードを持つなどして無事救出されることを願っていた、ジャーナリスト、後藤健二氏の言葉だそうです。しかし、そんな、みんなの願いは空しく崩れ去り、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)により、殺害されたとされることが伝えられました。ナイフを持った黒装束の男に跪かされ(ひざまずかされ)、ナイフで命を絶たれる時も上記の言葉が彼の心と頭を支配していたのでしょうか?生後3週間の赤ちゃんと、まだ2歳という幼い2人の娘さんと奥様、そして愛する家族の元に帰ることができないことを思い、涙を流し、さぞかし悔しい思いをしたのではないでしょうか。一方、後藤さんのお母様が息子を亡くし(しかも残忍な方法で殺害された)、悲しみに暮れながらも、相手を恨むような言葉を吐くことなく、質問に気丈に答えている姿に胸を打たれました。
この、おぞましいテロリストたちの行為や悲しい出来事は無くなるのでしょうか?多くの方々が流したであろう涙が、負の連鎖へつながることなく、平和への原動力へなることを願わずにはいられません。「後藤さんが帰国したら・・・。」この夢はついえてしまいましたが、彼の意志を引き継ぎ、紛争の中で懸命に生きている子どもたちやお年寄りや女性のことが世界中に広まり、平和が訪れることを祈ります。
2015年02月02日(月) No.1479 (園長日記)

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