Diary

念願


0歳児A組と5歳児M組の子どもたちが白鳥を見に行くために心配だったお天気ですが、霧雨は降っていたものの強く降る様子もなかったので予定通りバスに乗り出掛けてくることが出来ました。河原に着くまでの道中「もし、白鳥がいなかったらどうしよう?時間があるなら、別なところへ行ってみる?」などど話しながらバスを走らせたのですが、そんな心配を裏切るように、白鳥をはじめたくさんの水鳥が子どもたちを出迎えてくれました。5歳児の子どもたちはこれまでの経験から、我先にといった感じで川岸まで近付き、持ってきてくれたパンや米を夢中で与えていました。一方のA組の0歳児の中には初めての場所、しかもたくさんの鳥たちに圧倒され怖じ気づいたのか、なかなか足が前に進まないといった様子も見られました。それでも、5歳児が優しく「大丈夫だよ!ほら、あげてごらん!」と声を掛け、手をつなぎ餌を手渡すなどしてくれたお陰で、徐々に慣れてきたようで誰ひとり泣くこともなく白鳥見学と給餌をしてくることが出来ました。
 さて、保育園に戻るバスの中で僕の後ろの席に座ったM組のH君に「ねえ、H君、川の水が流れていたの分かったよね?!だから餌も流れたでしょ。でも、どうして白鳥たちは流されないのかなあ?」という質問をしてみました。するとすぐに「だって白鳥たちは流されないように足を動かしてたもん」と答えてくれるではありませんか!!あんなに興奮状態で餌を食べさせていたのに鳥たちの水の中の動きをしっかりと見てくれていたことが分かり嬉しく思いました。乳幼児期の子どもたちは様々なことに興味・関心を持ちます。その興味や関心を探求することが、この時期の子どもたちの「学び」であり、これから生きていくための基礎学力となるものです。川の水が流れているのに白鳥が流されないことにH君が興味を持ったかどうかは知る由もありませんが、生き物の動きをしっかり観察していたことがH君にとって実体験を通した本当の学びになったことは間違いないことだと思います。そんな意味からも、大人(保育者)が一方的に何かを与え結果を求めることが重要なのではなく、自然の中を含め遊ぶことで学ぶことの重要性を、幼稚園・保育所といった保育界で働くみんなが認識してくれるようになると良いのですが・・・。
2015年01月22日(木) No.1471 (園長日記)

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