Diary

輝き


研修最終日の三日目は例年、開催地出身の有名人による記念講演となることが多いようですが、今年度は秋田市生まれ東京育ちという脚本家、内館牧子氏でした。子育て経験がないという同氏は、世界各地を訪れた際に感じた子育ての様子や出会った子どもたちの姿から、「子ども向きに至れり尽くせりの食事を与えている国は日本以外にはほとんどない」「現代の日本において食育は子どもより親が先」などと日本の子育てや課題を話して下さいました。その語り口はとても穏やかで、優しさが伝わってきた一方、これまでたくさんのエッセイや著書を著しているだけのことがあり、時にスパイスの利いた厳しい内容でした。その中でとても共感できたことは日本語の乱れに関することで、「テレビなどを見て、インタビューを受ける若者の話を聞いていていると、『えっと〜、だから〜、○○みたいにい〜!マジ、ヤバイと思う』といった具合で結局何を言いたいの?結論は!?と思ってしまう。」というものでした。僕自身、しっかりとした日本語を話し、きちんとした文章を書くことすら出来ていないのに、あれこれ言える立場ではないのですが、最近、ず〜っと気になって仕方がなかったのが、年齢を問わず何を見ても「かわいい」と表現する女性が多いこと。昨日の分科会で昼食のお弁当を食べる際、僕の前に座った園長であろうと思われる年配の先生たちが弁当のふたを開けた途端「かわいい」と言っているのに、正直、ガッカリ・ビックリでした。出来ることなら「美味しそう」であって欲しいと思うのですが、それが無理なら、少なくとも「きれい」ぐらいにとどめていてくれると、子どもたちからも美しい日本語ならではの豊かな表現が失われることはないと思うのですが。
 そういえば、僕は宝石に全く興味や関心などないのですが、内館さんんが身につけていたダイヤモンドだと思われるピアスとネックレスが照明に照らされ見事な輝きを放つ度に「ダイヤモンドは身につける人の品格に合わせ輝くからこそきれいって感じるんだ」と思いました。あの輝きを放つダイヤモンドは、かなりランクの高い品なのでしょうが、同じ品物を上記のような表現しか出来ない若者が身につけても決してきれいとは思わないのでしょうし、それ以前に本物だと思わない可能性が・・。僕自身もそうならないように内面から豊かになるように学ばなければ。
2014年11月14日(金) No.1426 (園長日記)

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