Diary

優しさの連鎖


いつものように園庭の線量値を計測していると4歳児A組のKちゃん、Sちゃん、Rちゃんが僕のところへ駆けてきて「園長先生、お絵描きしたい」と言って、いつものように記録用紙にお絵描きを始めました。すると、Sちゃんが絵を描きながら「園長先生、あのね、さっきね、赤ちゃんのところに行って何してるか見てたんだ!」と嬉しそうに話し始めました。そこで、「そう、赤ちゃんたち何してた?」と聞き返すと一緒にいたKちゃんが「笑ったりしてたよ!」と応えてくれたので「じゃあ、赤ちゃんと赤ちゃん組にいる先生に『一緒に遊んであげる』って言って遊んであげていいんだよ」と話すと、「えっ〜!?いやだよ〜」という返事が返ってきたものの、表情からは“えっ本当?行っても良いんだ!”という心の声が聞こえたのです。「きっと赤ちゃんたち喜ぶと思うから、お絵描きしたら遊びに行ってきて」と話すと三人で顔を見合わせ、ニコ〜ッと笑い0歳児の子どもたちがいる保育室へ走って行き、朝番担当の先生と何やら話をし、保育室へ入れてもらい、赤ちゃんと遊んでくれていたようです。このような赤ちゃんと4・5歳児が関わることが出来るのが保育所の素晴らしいところなのですが、遊びの質の違いや当園の園舎の構造上、特に朝番や遅番の時間はどうしても3歳未満児と3歳以上児がバラバラに過ごしてしまっています。ところが赤ちゃんたちは自分より大きい子どもたちに関わってもらうことで自分たちが優しくしてもらうことに喜びを感じられるでしょう。一方の3歳以上児は自分たちより小さい赤ちゃんに関わる際の力加減を覚えるということに繋がるのです。こうした経験が優しさや思いやりへと繋がり、それが人間として成長するだけでなく、0歳児が大きくなった時、今度は自分たちが同じように赤ちゃんたちに関われるようになるのではないでしょうか。要は大人が言葉で優しさや思いやりがどのようなものかを教えたり伝えたりするのではなく、子ども同士の関わりの中で覚えるもの!そんなことを3人の4歳児に改めて気付かされました。
2014年08月29日(金) No.1373 (園長日記)

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