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順位付けの意味は!?


文科省が昨日、小学校6年と中学3年の全員を対象に実施した、2014年度全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。都道府県別では秋田と福井が例年通り上位となったようですが、これまで下位が続いていた沖縄の小学校の成績が大幅に改善し、昨夜のニュースで沖縄県の教育委員会の方がとても喜んでいる様子が伝えられていました。当然のことですが上位があれば下位があり、今回も、その結果がはっきりと順位付けされ出されているのですから、最低だった県の教育委員会の方々は悔しかったり、恥ずかしかったりするのでしょう。しかし、僕は子どもたちの学力は数字だけでは表すことが出来ないことも多くあるように思えてならないので、順位付けが本当に必要なのかどうか疑問に思います。何より、この結果を知った子どもたちはどのような感情を持っているのか、気になって仕方がありません。成績が良いことを否定するつもりは全くありませんが、何のために必要なのか分からずに勉強し成績が上位になるより、目的や目標を持ち勉強するものの上位になれないことの方が意味のあることなのではないでしょうか?また、勉強ができても人の心の痛みが分からなかったり、生きていくために必要な知識として備わっていなかったり、生かすことができなかったりするならば、少々成績が悪くとも人の心の痛みが分かり、生きていくための知識が身に付いていることの方が重要だと思うのです。10人の子どものうち5人が100点を取り、残りの5人全員が0点の場合の平均と10人全員が50点の場合の平均値は同じです。要するに学力は数字(平均値)だけでは見えない部分があるのではないでしょうか。
 近年、運動会のかけっこでなどで皆が手をつなぎ揃ってゴールするなんてことがあるようですが、こんな時こそしっかりと順位付けをし、走るのが速い子どものことは認めつつ、その一方で走るのが苦手で遅かった子どもには、速く走ることだけに価値があるのではないことを伝え、別な自信を持たせるてあげることこそが必要だと思います。勉強が出来る・出来ないだけでなく、一人ひとりの違いや存在価値を認め合うことが出来る社会、調査結果であることを願うばかりです。
2014年08月26日(火) No.1370 (園長日記)

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