Diary

喧嘩


口喧嘩、痴話喧嘩、親子喧嘩、夫婦喧嘩、兄弟喧嘩など喧嘩には様々ありますが、子どもの成長には欠かせないのも喧嘩です。子どもの喧嘩とは自己主張をし、他者と関わり自分と違う考えがあることを知り、我慢を覚えるなど自己中心性から抜け出します。そして、大人の喧嘩と幼い子どもの喧嘩の大きな違いは、激しい喧嘩をしても、その後、あっと言う間に仲直りして、直ぐに遊び出すといった具合に後腐れがないことだと思います。
 今朝のことです。毎日の日課となっている薪作りをしている僕のところに3歳児H組の子どもたち数人がやって来て「園長先生、私たちが先に使ってたのに、○○組のお友だちが『入っちゃダメ』って言う」と苦情を訴えて来ました。何が起こったのか様子を見てみたところ、一昨年前の夏まつりの時に保護者(お父さん方)に手伝って頂き作った小さな家(小屋)の中に別なクラスの子どもたちが入り込んで遊んでいるのです。そこで、どうしてそうなったのか、そして、どうしたら良いかお互いの気持ちを聞き、こんな提案をしてみたのです。「あのさあ、みんなここで遊びたいのは分かったけど、狭いよね。もし良かったら、このお家をあっちにあるお家のところまで運んで繋げて広くしたらどう?でも、園長先生一人じゃ大変だから、どうしたらいいか考えてみてくれない?」と提案してみました。するとどうでしょう。それまで仲違い(なかたがい)し、怒っていた子どもたちが笑顔で「うん!いいよ」と返事をしてくれるのです。こうなったらこっちのもの。間髪入れず「でも、園長先生一人じゃ大変なんだけれどどうしたらいい?」と再度聞いてみるとあれこれ考えて、「先生たち呼んで来たらいい」とか「僕たちが手伝ってあげる」と返事を返してくれるではありませんか。結局はいつも以上に妙なことを始めた園長の姿を見つけた子どもたちまでがやって来て運ぶ(転がす)作業を手伝ってくれたお陰で新たな木製遊具!?が完成し、多くの子どもたちが遊び初めました。前述の通り、子どもの成長には喧嘩は必要であっても、できるだけ少ない方がいいのは当然のこと。喧嘩に発展しないように止めさせるのも一つの方法ですが、ちょっとした言葉がけで喧嘩になりそうなことがらから軸をずらし、結果として気付けば一緒に仲良く遊べる。そんな保育が理想であるのですが、それがとても難しいことなのです。
2014年01月29日(水) No.1225 (園長日記)

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