Diary

昭和


世代により違いはあると思いますが「昭和」と聞いて何を思い出す(連想する)でしょうか?忌わしい戦争、その後の高度成長期、東京オリンピック、オイルショック、バブル時代と様々かと思います。挙げればきりがありませんが、僕は近所の駄菓子屋、怖〜いおじさんがいた酒屋、今では信じられないほど有名店となったパン屋さんの店内、そして勉強も宿題もすることなく毎日友だちと遊んでいたことです。あの頃は今とは比較にならないほど時間がのんびりと流れ、あちこちの道路や空き地から子どもたちの笑顔や声が響いていました。そんな昭和から平成に時代が変わり既に26年が過ぎ当然のことですが、在園児はみんな平成生まれ、そして、平成生まれの職員も増えてきました。何故こんなことを書いているかといえば、今朝、4歳児A組のSちゃんが登園して来るなり「園長先生おはよう!この前の歯抜けたよ」と嬉しそうに声を掛けてくれたのです。数日前から下の前歯がグラグラしていることを教えてくれていたSちゃんにとって大ニュースだったということですが、抜けた歯をどうしたか聞いてみたところお母さんが「まだお父さんに見せていないのでティシュに包んだままです」と教えてくださいました。それこそ、昭和の時代であれば下の歯が抜けた時は屋根の上へ上の歯なら縁の下へ放り投げたものですが、今はそんなことをすることもなくなってしまったようです。そうかと思えば5歳児N組Y君は、昨日の日記に書いた切干大根を自分のおこづかいから買い求めてくれたというので、今朝お母さんにお礼をしたところ、「あの子、昭和の子なんで、切干大根とか好きなんです。だから自分のおこづかいで買うっていうので…。でも、昨日はしいたけとニンジンがなっかたのでお預けなんです」とお母さんが教えてくれました。平成生まれのY君と昭和という時代は切干大根でつながっているのかもしれません。
 さて、話は変わりますが、今日は仙南2市7町の保育所(園)の所長(園)研修会があり「虐待を受けた子どもたちとのかかわり方」というテーマでお話しをお聞きしました。2時間の講演の中で沢山の学びがあったのですが、その中で特に印象に残ったのが「言葉に表すことは行動に表れやすい」ということです。しかも、それは幼児に限ったことではなく、現代の若者も言葉が貧しくなり「むかつく」「うざい」「やばい」といった表現しかできなくなってしまっている。そのために、言葉の幅を広げてあげなければならないということです。確かに、美味しいものを食べても大変なことが起きても「やばい」という若者が多くなっていることには気付いていましたし、子どもの行動を表現するのに「かわいい」という言葉が多く使われ、山の上に登っているわけでもないのに「ヤッホー」という呼びかけが多いように感じます。これでは、子どもたちに言葉が育つはずはありません。そう考えると、昭和には確かにまだまだ美しい日本語があったことに気付かされました。そういう自分も語彙はかなり少なくあれこれいえる立場ではないのですが、言葉での表現方法をしっかり意識しながら子どもたちと関わりたいと思います。
2014年01月22日(水) No.1220 (園長日記)

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