Diary

子どもは風の子


今日は朝から結構な風が吹き、毎朝の日課の掃き掃除は全くもって無意味といった状態。そこで、ゴミを拾い、ある程度の落ち葉掃きを済ませ、園庭の放射線量を計測し薪作りに取り組むこととしました。まさに木枯らしと言う表現がピッタリな風が吹く中、いつものように園庭のほぼ中央で線量を計っていると、3歳児T組のH君が大きな声で「えんちょうせんせ〜い!おはよう〜!」と言いながら僕のところに駆けて来ました。そんなH君に「H君おはよう!寒いのに元気だね!」と話し掛けた時、園庭を風が駆け抜けたのです。すると、あちこちに落ちていた落ち葉が風に吹かれカサカサという音をたてて吹き飛ばされたのです。その様子を見た瞬間、H君が一言「えんちょうせんせい、はっぱがはしってる!」と表現したのです。なんと素敵で的確な表現!そこで「Hくん、じゃあ、はっぱをおいかけてみたら?」と声をかけたところ、「うん!」と言って、どの葉っぱを追いかけているのか分かりませんが脱兎の如く走り出しました。大人になるとH君と同じように葉っぱが走っているように感じたとしても、作家でもなければ恥ずかしくて「葉っぱが走ってる」なんて表現をすることもなくなり、それ以前にそう感じる感性もなくなるのでしょう。子どもは風の子とは、少々寒くても、木枯らしに負けることなく外で元気に遊ぶ子どもたちを表しますが、H君はある意味、本当の風の子のように感じました。
 さて、このところ薪割りの手伝いをしてくれる子どもたちが日に日に増えてきたように感じます。きっと家で薪割りなどすることはなく、ましてやチェーンソーを使っているのを間近かで見ることもないのでしょうから興味が湧くのでしょう。そんな子どもたちは玩具である手押し車に割った薪を積みランチルーム北側まで薪を運んでくれます。ところが、そこまでたどり着くまで様々な障害があります。そこで、「車を押しても動かなくなった時は、お尻の方から走る(要するに引っ張る)んだよ」と言って僕が一輪車でどうすればいいか見せてあげると、子どもたちはあっと言う間に理解してくれて、分からない友達には「あのね、押すんじゃなくて、引っ張るの!」なんて教えあいながら薪を運んでくれています。もし、これが僕一人の作業だったならば…。子どもたちの力に驚かされるとともに感謝です。
 今日も長くなりましたが、僕は今日、5歳児M組の子どもたちと一緒に大河原警察署・大河原消防署、そして町内の老人施設に野菜や果物を届けてきました。消防署では今回もはしご車を見せて頂いたのですが、そのほかにも救急車の中やストレッチャーを見せてもらったり、実際に寝かせてもらったり、本当に丁寧に説明をして頂きました。警察署では、特別に署員が柔剣道や逮捕術の稽古をする道場を見せて頂くというスペシャルなことをさせてもらいました。老人施設では多くのおじいちゃん・おばあちゃんが子どもたちを待っていて下さっていて、大歓迎をしてもらい、子どもたちも大喜びでした。そして、一人のおじいちゃんは子どもたちが来てくれたことはもちろんですが、それ以上に若い先生が来てくれたことに大喜びして、年を感じさせることのなく終始ニコニコしていました。そんなわけで、おじいちゃんもおばあちゃんも、子どもたちとM先生先生にエネルギーをもらい元気になったこと間違いありません。
2013年11月26日(火) No.1182 (園長日記)

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