Diary

断念


保育日記にもあるように、今日は保育園で収穫感謝礼拝を守りました。今日のためにご家庭から野菜や果物をご協力頂きそれをホールに飾り、沢山の恵みを与えて下さっている神様に感謝し、また、収穫感謝祭の意味を皆で確認しました。その際、子どもたちにとうもろこしを見せて「上手に育てれば、たった1粒の種から、こんなに沢山の実が付いている“とうもろこし”が何本か出来るんだよ!さて、この“とうもろこし”にいくつ実が付いていると思う?」と聞くと「○○○!」「○○○○!」等の返事が返ってきました。そこで「じゃあ、誰かいくつあるか数えてくれない?」と話すと、5歳児N組のH君が間髪入れず「いいよ!」と返事をしてくれるではありませんか!そこで「じゃあ、H君にお願いするから、いくつあるか数えてね」といって手渡し、どれくらいの実が付いているか数えてもらうことにしました。しかも、芯から実を取ることなく数えるという無理難題をお願いしたのです。しばらくして暖炉の火を確認しに行った時、丁度H君がランチルームで給食の準備を始めたころでした。そこで「ねえ、H君、とうもろこし数え終わった?」と聞くと「えっ、あのさあ、124個位までいったけど、結構大変なんだよね、だからまだ半分くらい…」と少々困った表情。「そうか、でも、そこまで数えたんだ、じゃあ、今日でなくてもいいから数え終わったら、教えてね」とお願いしました。ところが、どうでしょう、午後のおやつの検食を運んできてくれたH君が照れた様子で「園長先生、やっぱり、ダメだった」ととうもろこしを返しにきてくれました。聡明なH君が数えることを断念したのは意外と言えば意外な気がしないこともないのですが、半分とは言えど、124粒まで一生懸命に数えてくれたことに5歳児ならではの姿を改めて感じることができました。
 さて、例年、収穫感謝祭の時にはりんごなど美味しそうな果物にはいつの間にか歯型が付いていることがあるのですが、今年はそんな被害!?もなかったようです。もしかすると、例年通り味見をする機会を狙っていた子どももいるのかも知れませんが、今年は、あちこちに監視の目が光っていて、試食をすることを断念したのでしょう。
 長くなりましたが、今日、礼拝で子どもたちに話しをしながら改めて確認したことは、食物に限らず、収穫を得るためには種を撒かなければならないということ。そしてそれは、保育においては、子どもたちの成長を願う保育者が必要な時期に必要な種を撒くこと(関わりをもつこと)が大切であること、また、保育者も何の努力もすることなく成長することはないということです。そのためには難しいと思うことでも先ずは断念することなく真正面から立ち向かうことが大切なのでしょう。1620年にメイフラワー号に乗って遠いアメリカ大陸を目指して海を渡った人たちのように…。
2013年11月25日(月) No.1180 (園長日記)

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