Diary

Arbeit


近年、日本の生活に当たり前のように使われている外国語がたくさんあります。そのためなのでしょうか、最近何人かの子どもたちは、どこからどう見ても東洋人以外に見えない僕に向かって登園してくるなり「園長先生Good Morning!」と挨拶してくるのです。文部科学省は小学校3年生から英語教育を開始する方針を固めましたが、果たして本当に生きた英語となるのでしょうか?もし、僕が習った頃のような、これまで通りの「This is a pen」や「I am a boy」から始まる英語教育であればきっと何年間英語を勉強しても意味がないのではと思ってしまいます。なぜなら「This is a pen」=「これはペンです。」や「I am a boy」=「私は少年です」などは日常使うことはなく、使うとすれば、ペンを知らない人にペンを説明する時以外に使うことは考えられず、「私は少年です」も男の子に見えないような(この頃そのような方々がTVに多く出演していますが)人が本当は男であることをカミングアウトする場合のみにしか使うことはないでしょう。
 さて、こんな風に当たり前に外国語が使われる中でArbeit(アルバイト)という言葉(ドイツ語)があります。この言葉はドイツでは日本で使われているような本業や学業のかたわらに収入を得るための仕事「副業」とは意味合いが違い、まさに仕事・労働・作業を意味します。先週はそのArbeitに追われ放しの日々でしたが、今週は少しゆとりを持って仕事をしたいと思っているのですがどうなることやら。ちなみに、アルバイトの他にもゼミ、テーマ、カルテ、リュックサックetc…ドイツ語を知らなくてもドイツ語がすっかり身の回りの言葉として当たり前のように使われています。子どもたちが成人する頃、英語圏の外国人と話すことに抵抗を持つことなくなっているのだと思いますが、きれいな日本語を失うことのないような国語教育がなされることを願います。そのためには、まず僕自身インチキ外国語を使わないようにすることが先決で、そうすると子どもたちは「園長先生おはようございます」と挨拶をしてくれることでしょう。そうなるようにすることが僕のArbeitなのかも知れませんが、間違いなくまたインチキ外国語を使うことでしょう。 „ Entschuldigung!“
2013年11月18日(月) No.1174 (園長日記)

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