Diary

現実と憧れ


園庭から見える蔵王に雪が降ったというニュースが届き、このところ県内で朝の最低気温が一桁となるところが増えるなど暖房が恋しい季節がすぐ側までやって来ていることを実感します。こうなると、これまでなかなか取り組むことができなかった暖炉の薪作りに本格的に励まなければと焦る毎日です。そんな秋が深まりつつある今日、2・3歳児クラスの子どもたちを対象としたIさんによるハープコンサートでした。2歳児クラスは玄関を入ってすぐの階段下のスペースをコンサート会場として頂いたのですが、早めにいらして下さったIさんが、音合わせを済ませ(兼ねて!?)、童謡♪「里の秋」などをリハーサルとして弾いている音色が職員室に響いてきました。日本の童謡の美しさを耳にすると自然と歌詞が思い浮かび、ついつい口ずさんでしまいます。そして「やっぱり、いい曲(メロディー)ですね!でも先生たちは“お背戸”なんて知ってますかね?是非、コンサートの時に先生たちに質問しながらコンサートをして下さい」とIさんに話し掛けると「実は私も知りません」とのこと。“お背戸”とは裏口という意味になるかと思うのですが、今では庭付き一戸建ての家に住むことは大変なこと。(日曜日の夕方6時半から放送されている長寿番組“サ○エさん”では三河屋さんが勝手口から注文の品を届けに来る場面がありますが…。)そう考えると、残念ではありますが、名曲である童謡の歌詞も現代の子どもたち、先生たちにとってはイメージできないシーンばかりであることが現実となるのでしょう。そんな子どもや先生たちに昔のことを少しでも伝えて行くことができるようになりたいものです。
 さて、5歳児M組のYちゃんが降園する際、職員室にいた僕や仕事を終え帰宅しようとしていた2歳児H組のY先生に聞こえるような声で「大きくなったら、先生になりたいんだ〜!」と教えてくれたのです。こんな嬉しいことを言ってくれることに対し反応しないなどということはなく、敏感に反応した僕たちはYちゃんに「保育園の先生になりたいの?うれしいな〜!」などと話し掛けると、Yちゃんが「遅番とか帰る時間は自分で決められるんでしょ?」と何とも子どもらしい質問をしてきてくれたのですが、Y先生はYちゃんの目の高さに合わせてしゃがみ「あのね、帰る時間はね〜」と話してくれていました。Yちゃんが何をきっかけとして保育園に憧れを持ち、保育園の先生になりたいと思ったのかは定かではありませんが、一つ言えることは、友だちとの関わりや先生との関係が楽しいと思ったからなのは間違いないでしょう。もしYちゃんが実習生として或いは保育者として園に戻ってきてくれたら、そんな嬉しいことはありませんが、その頃、僕が園長として勤務しているかどうか、それ以前に命があるかどうか…。それでもYちゃんが嬉しそうな表情で、憧れ(夢)をかたる姿によって忙しく披露困憊だった一週間の締めくくりがHappyで終わることが出来ました。
2013年10月18日(金) No.1153 (園長日記)

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