Diary

心の育ちとは!?


「発達」とは保育界に限らず、一般的に何かが「出来た・出来ない」といった目に見える結果、あるいは身体的な変化や能力面の成果のことと言えます。しかし、子どもの「発達」において重要な部分は、目に見えない「心の育ち」ということになります。その子どもの「心」が育つには、子ども自身が実際に自分は愛されているという感情を経験することがなければ育ちません。
 そのために子どもと関わる大人は「好きだよ」とか「愛おしい」とか「あなたは大切だよ」という感情を持ち、伝えることが重要です。そのことで子どもは他者から認められているという“自己肯定感”が育つことにつながります。ところが子どもは時に大人が理解しがたい行動やしてはいけないことをしてみせることがあります。そんな時、つい感情的に叱ってしまうことがあるのも現実・事実でしょう。ところが、そこで大切なことは、行った行為はいけないことであることはしっかり伝えつつ、子どもの存在を否定しないこと、強く叱った後の処理が重要です。1・2歳児の保育の場面で起こることの多い「噛みつき」を例に挙げれば、その行為を止めるために必死になるのではなく、その行為の裏には、“言葉で言い表すことの出来ないもどかしさがある”ということを“受け止める”ことです。噛みつきは言葉が出てくれば消えていく行為と言われています。必死に止めようとする保育者の気持ちも大切ですが、そのことだけに必死になると子どもへの思いが抜けてしまいます。とても難しいことですがケンカをしたとき「ごめんね」「いいよ」は大人に言わされるのではなく、子ども自らが「ごめんね」「いいよ」が言えるような心の育ち、保育をしなければなりません。子どもが泣いたとき、物を扱うようなトントンや抱っこの仕方では泣きやむことはなくことはないでしょう。頭では理解している当たり前の保育ですが、それがとても難しいことを再認識することができた研修会でした。
2013年10月10日(木) No.1146 (園長日記)

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