Diary
静寂
“静寂”とは、「物音もせず静かなこと。」「しんとしていること。」とあります。そして、今日訪れた、福島県南相馬市小高区の町を表現するのに、ピッタリなのがまさに“静寂”この言葉に集約されるような気がします。
東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響で放射線量が高く、人々が避難を余儀なくされた町は、一定時間は戻ることが許された今でも、インフラがまだまだしっかり復旧整備されていないこと、そして何より戻れるようになったとは言え、依然線量が高いところもあり、駅前だというのに町の中に全く人影がなく、綺麗な建物であってもカーテンが締め切ったままで、庭は草が伸び放題。表現は良くないかと思いますが、そんな風に化してしまった町を一言で表現するならば、『ゴーストタウン』。それでも、誰が渡るでもないのに信号機が規則正しく動いていることに違和感や恐怖感を覚えました。そして、南相馬から中通りの福島市と二本松の幼稚園に向う途中に線量が高かった飯館村がありましたが、この村の主幹道路だけは車の往来はあるものの商店はことごとく開いておらず、また、田畑には作物が育てられる様子はなく全く生活感を感じることができませんでした。そんな景色から震災から約2年6ヶ月過ぎた今でも忘れてはいけない事がたくさんあること、そして人生の歯車を狂わされた方々がたくさんいることを改めて感じさせられました。明日は、浜通りのいわき市と中通りの矢吹町や鏡石町や須賀川などの施設を訪れます。きっと、また多くの気付きを与えられることと思います。預かっている6人の命をしっかりと守れるようにハンドルを握らなければ。
2013年08月07日(水)
No.1091
(園長日記)
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