Diary

自然の厳しさと現実


先週末の6日、関東甲信地方の梅雨明け発表がありました。平年より15日、去年より19日も早い梅雨明けに驚きましたが、今日、東海から九州の各地が梅雨明けしたと発表があり、北陸と東北、梅雨のない北海道を除く各地が梅雨明けとなりました。このところの暑さに誘われてのか、園庭にセミの鳴き声がどこからか響くようになり、我が家のベランダにはトンボが飛んでくるようになったということは東北の梅雨明も例年より早いのかも知れません。しかし、保育園では数年間、暗い土の中で生活し間もなく明るく広い空を飛ぶはずだったセミの幼虫が子どもたちに見つけ出されてしまい、空を飛ぶ(子孫を残す)という願いを叶えることなく一生を終える現実があります。そんな様子を見ると改めて自然の厳しさを感じさせられます。もちろん、全てのセミの幼虫が必ず成虫となり一生を全うすることなどあり得ないことであり、たまたま土から現れた場所が子どもたちの大勢いる環境だっただけであり、様々な環境の中でこのようにして命が淘汰され、自然が成り立っていることも理解できるのですが、数年間土の中で生活していた幼虫のことを考えると何とも可哀想に思えてしまいます。
 セミに限らず我々人間も自然の一部であり、厳しい自然の中で生活しています。僕は園長の任を与えて頂いてから丸6年が過ぎました。それはセミの幼虫が土の中で生活している年月とほぼ同じです。セミが土の中での数年間を長いと感じているのか短いと感じているか知る由もありませんが、僕はこの6年間がとても早かった気がして仕方がありません。
セミは土の中での生活が数年、ところが成虫になり地上での生活は数日間だけ。その地上での数日間の生活が充実していればセミは一生を全うしたことになるのでしょう。さて僕は…。毎日あれこれ考え、悩みの多い7年目です。
2013年07月08日(月) No.1062 (園長日記)

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