Diary

信じられない


今年も半年が過ぎ今日から7月Julyジュライになりました。毎日通勤(帰宅)する際通る駅前の仙台P○R○Oには随分前から水着がディスプレーされ嫌でも真夏モードを感じさせられます。ところが、先週末の地方紙によれば、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県で海開きを行うのは9ヵ所だけというのです。ということは夏休みになっても多くの子どもたちは県内の海で海水浴ができないということになります。海水浴場の中でも、環境省が水質の良さなどを基準に選定する水辺“快水浴場”百選に選ばれた気仙沼市の大谷海水浴場には黒い土のうが壊れた防潮堤代わりに並んでいると書かれていましたが、ということは以前二年前、気仙沼の幼稚園を訪れた時と何も変わっていないということであり、震災から3度目の夏を迎えようとしていても津波の爪痕は今なお深く復興には程遠いということを感じさせられます。保育園では先週プール開きを行い今年も水遊びシーズン到来といったところですが、海水浴に行きたくても行くことができない子どもたちにとってプールが少しでも水遊びを満喫できる快水浴場であるように、そして、Julyが寿来となるように願うばかりです。
 さて、今朝のことです。いつも以上に玄関上の大きな窓のところに子どもたちが集まり園舎東側の斜面を見ながら賑やかにしています。朝から何を騒いでいるのかと思い、子どもたちの声によくよく耳を傾けると「園長先生イノシシがいる〜!」と騒いでいるのです。ところが崖を見てもどこにもそんな気配は感じられません。そこで、二階の窓から子どもたちと崖を見ていた4歳児H組Sちゃんのお母さんに「朝から子どもたち変なこと言ってますよね!?いってらっしゃい」と声を掛けると「本当にイノシシいましたよ!なんだか穴を掘ってました」とおっしゃるではありませんか(@_@)。あの崖のどこかにイノシシが現れたかと思うとゾッとしましたが、それ以上にもしイノシシが崖を降りてきたら…。隣接する市やそのまた隣りの町にはイノシシが出没することは耳にしていましたが、まさか大河原町、しかも自分たちの園に現れるとは信じられません。とは言っても隣りの市といっても本当にすぐそこですので、イノシシが現れて当たり前と言えば当たり前なのでしょうが。
 そして、今日の信じられないことの極めつけ、それは、礼拝の日程を変更してまで行ったプロのドラマー、佐藤尋宣(さとうひろのり)氏と奥様の佐藤千嘉(さとうちか)氏によるミュージックセッション(打楽器に触れる)を経験させて頂いたことです。佐藤尋宣氏は目の不自由なプロのドラマーなのですが、自分の姿を通して子どもたちに目の不自由な人がいることや、目の不自由な人がどのような生活をしているかを知ってもらいたいという活動をなさっています。先生たちもこれまで見たことのないカホンという箱のような打楽器やボンゴという太鼓に触れることができ大喜びでした。「目が見えなくて困ることはあるけれど、楽器に触れていると楽しい」「目が見えなくても、いろいろな人にいろいろなことを教えてもらうことで何でもできる」といったことを語って下さった佐藤さん。今回だけでなく、今後もいらしていただき、楽器を通して子どもたちと触れあい、その中で子どもたちに、自分たちと違った境遇で生活している方々がいることやそんな方々に自然に接するにはどうすれば良いのか学んでもらえる時間にしていきたいと思います。白杖だけで歩くことやあのリズム感“信じられない”としか言えない素晴らしさを僕自身体験させてもらいました。
2013年07月01日(月) No.1053 (園長日記)

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