Diary

トムヤムクンとポトフ


今日は第65回目の卒園式を行い、53名の子どもたちに卒園証書を渡すことができました。昨年の卒園式の時にも書きましたが、かつての日本人の生活にでは日常「褻(ケ)」と非日常「晴れ」とがははっきりと区別されていました。そして、今日は言わずもがな特別な日「晴れの日」だった訳です。しかも、今日の卒園式は第65回と言っても新園舎で行う初めての卒園式であり、その意味からしても、第1回目の卒園式と言える特別な卒園式でした。僕にとっても町立不動保育所と合併し、新たな気持ちで迎えた一年であり、不動保育所で過ごしてきた子どもたちをお預りさせていただいた以上、それまでの育ちの連続性を途切れさせることなく卒園させることが大きな責任と考え、多くの不安や戸惑いの中、必死に過ごした一年だった気がします。しかし、本日の卒園式に大勢の保護者の皆様、そしてご来賓の方々にいらして頂き、多くの祝福の中、子どもたちが無事に卒園式を終えることができ、正直ホッと胸を撫で下ろしているところです。
 さて、今日卒園したN組とM組を料理で譬えるならば、N組は世界三大スープの1つとして数えられている“トムヤムクン”。トムとは『煮る』、ヤムとは『混ぜる』、クンとは『海老』を意味している甘くて辛くて酸っぱい、タイ料理の代名詞。一方M組は、牛肉や鶏肉、ソーセージなどの肉類と、大きく荒く切ったニンジン、タマネギ、カブ、セロリなどの野菜類を、長時間かけてじっくり煮込んだフランスの家庭料理のひとつである“ポトフ”といったところでしょうか。その相反する二クラスが今年一年様々な遊びや交流を通して仲良くなり、不動保育所の子どもたち、旧第一光の子保育園の子どもたちという垣根がなくなり、新たな第一光の子保育園の子どもたちとして育ってくれたことが本当に嬉しく喜びでもあります。式の中で、保護者代表であるMさんが小刻みに手を震わせながら、感謝の言葉を述べて下さいましたが、大きな波のように押し寄せて来た身に余る感謝の気持ちや思い、その言葉から、これまで保育方針等で迷いやぶれそうになることがあっても、自分の信念を貫き通してきて良かったと思わせて頂くことができました。そして、その言葉から、これからの道標をも示していただけた様に感じ、ただただ感謝です。しかし、もしかすると「この保育園でも仕方がない」とか「ここで我慢しなくちゃ」と思って登園させて下さった方もおられたかも知れません。そのためにも、これからは「ここでも仕方がない」と思っていた方々が「ここでも良い」から「ここの保育園が良い」そして「ここの保育園でなければ嫌」と言って頂けるような保育園になるべく努力していきたいと思います。何しろ、これまで2308名の子どもたちが第一光の子保育園(旧大河原幼児園を含む)を卒園し今日そこに新たな53名の子どもたちが加わったことになります。その中には今日、子どもたちを卒園させたM組の担任であるM先生の名前もあるのですが、そんなM先生や、これまで卒園した子どもたちの後にまた新たな名前がしっかり続くよう、今後も皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
 最後に、本日の卒園式のために家庭保育にご協力頂いた在園児の保護者の皆様に感謝申し上げます。
 















2013年03月23日(土) No.969 (園長日記)

No. PASS