Diary

それどころではない!?


毎時丁度に時計上部の小さな窓から小鳥の模型が顔を出し「カッコー」と時刻の数だけ鳴き時報を教え、半にも一度鳴き、ハイジが鐘を鳴らしてくれる鳩時計は、時間を告げるだけに留まらず、ロビーのインテリアとしてすっかり馴染んでいます。柱に取り付けてから時間が経ちましたが、子どもたちは飽きることなく相変わらず鳩が窓から顔を出すのを楽しみにしていてくれます。ところが、そのことが思わぬ問題を引き起こしていそうなのです!?それは、出勤で忙しい朝の時間に、上記のように毎時丁度と半に一度だけしか顔を出さない鳩を見たいがために「ちょっと待って!もうすぐはとさん出てくるから」と言ってお母さんやお父さんを困らせる様子が見られるのです。今朝も4歳児H組のYちゃんが、鳩見たさに保育室に行こうとしないためお母さんが「ちょっと、それどころでないの!早くいかないと、お仕事遅れちゃう!!」と半分苦笑いをなさっていました。こんな風に、卒園記念品の鳩時計を喜んでくれている子どもたち(年齢を問わず)の姿を見ていると“今度は各保育室にも”なんて考えてしまいます。
 さて、毎朝、正門や玄関までのアプローチなどの掃除をしていますが、これまで4歳児A組のMちゃんがお母さんの車から降りようせず、抱っこやおんぶをせがむ姿を時々見ていました。ある日のことです、Mちゃんがまたぐずってお母さんを困らせていたので、掃除に使っていた一輪車を押してMちゃんの所まで行き「Mちゃん!おはよう!えんちょうせんせいのタクシーに乗ってみない?」と話し掛けると掌を返したように「うん」と言って車から降り、一輪車に乗ってくれたのです。それからというもの僕が掃除をしているとお母さんに「えんちょうせんせいの車に乗りたい」と言うようになったのだとか…。そして今日、僕が落ち葉を集めるために避難車(通称お散歩カー)を使っていたところ、Mちゃんは目ざとくお散歩カーを見つけ「あれに乗りたい」と言い出したようなのです。勿論Mちゃんのこの発言は想定内!そんなことで一日を機嫌よく始めてもらえるなら、お安い御用!そこで落ち葉の積まれた車にMちゃんを乗せて玄関に向いました。こんなご所望があれば、Mちゃんに限らず、できる限りそのご所望に沿うようにしたいと思います。因みに、Mちゃんは5歳になったらということで、お母さんとこんな約束をしたのだそうです。一つは“抱っこやおんぶをしないこと”もう一つは“指しゃぶりをしないこと”だったそうなのですが、5歳の誕生日を迎えた途端、その約束がMちゃんによって一方的に反故にされ「大人になったらね」と変わってしまったのだ言うのです。今朝この話をお母様からお聞きし大笑いしてしまいました。こんな素晴らしい発想を誰かに教えてもらうわけでなく自分で思いついたのだと思いますが、この発想こそが5歳の証しであり、Mちゃんの成長なのでしょう。あと数年すれば、抱っこやおんぶをしたいと思っても嫌がられるようになり、指しゃぶりもしなくなるのですから、お母さんにはもうしばらくMちゃんの要望に付き合って頂きたいと思います。5歳になり身体も大きくなって、抱っこやおんぶどころではないのでしょうが…。
2013年03月12日(火) No.961 (園長日記)

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