Diary

興味津々


昨日のことです。お迎えに来てくれたお母さんと一緒に一階のロビー飾ってある雛人形を見ていた3歳児T組のS君が何やら照れた様子でモジモジしているのです。そこで、そんなS君に「Sちゃんどうしたの?好きなお人形があるの?」と声を掛けたのですが、益々照れてしまうのです。そんな姿を見ていたお母さんが「ほら、せっかくだから園長先生に聞いてごらん」とS君に話し掛けて下さいました。すると、意を決したかのように「えんちょうせんせい、どうしてこのひと(人形)はなにもはいてないの?」と聞いてくるのです。何のことかと思い「えっ、どの人形?」と返事をしてS君が疑問に思っている人形を見てみると、確かに裸足で履物を履いていないのです。ところが、以前も書きましたが雛人形には縁がない僕には、何故この人形が履物を履いていないのか明確な返事が見当たりません。「ほんとうだね!でもどうしてこの人形が何も履いていないか、園長先生にはわからないなあ。ごめんね。」と返事をしたところ「うん!」と言ってくれたのですが、次の瞬間「お母さん僕もこれ欲しい」とお母さんに雛人形(雛段)をおねだりしたのです。その一言に僕もお母さんも可笑しくて笑ってしまいました。でも、煌びやかな衣装を纏った人形を見たら男の子であったとしても「僕も欲しい」そんな気持ちになるのも理解できるので「そうだよね、Sちゃんは雛人形持ってないもんね。お母さんにお願いしてみたら」と話しました。しかし、余程のことがない限りS君の「雛人形が欲しい」という希望は叶わないことでしょう。大人には人形イコール女の子のものといった固定観念がどこかにありますが、実際に保育園では保育室のウォルドルフ人形を使って男の子も遊んでいますし、人形のお泊まりを始めた4・5歳児クラスでは男の子であってもお泊まりの順番を心待ちにしていて、自分の順番が来ると喜んで連れて帰っています。(ただし、帰宅後本当に人形で遊んでいるかどうかはわかりませんが、一人でも多くの子どもたちが人形と一緒に眠ったり喜んでいてくれていたりすることを願っています。)そんな光景を見られるのもこの時期の子どもならではことなのですから大いに子どもらしく過ごして欲しいと思います。また、僕は男の子だから青や黒とか女の子だからピンクや赤といった概念が少しでもなくなるようにと、保育園二階の子ども用トイレの扉は様々な色にしてあります。そんな裏事情をご理解頂き、もう一度トイレの扉をご覧になって見てみて下さい。これまでと違った何かを感じて頂けるかも知れません。
2013年02月26日(火) No.947 (園長日記)

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