Diary

ママ登ったよ!!


昨日の夕方のことです。4歳児H組のRちゃんが降園の際、玄関から職員室の小さな窓を開け「園長先生Rも山に登ってみたい」と言うのです。どうやら、朝、園舎東側の山の上に登った僕の姿を見てどうしても自分も山の上まで登ってみたいと思ったようで僕に自分の思いを伝えてくれたのです。そこで「いいけど、山に登るときは、手袋がないと危ないし、スカートだとトゲトゲのある草が刺さって痛いからなあ!?」と話すとRちゃんは少々困った顔、その様子を見ていたお母様が「この子、ジーンズ嫌いで履かないんです」とおっしゃるのです。「Rちゃん、じゃあ、どうしても登りたかったら、スカートでもいいけど、結構怖いかもよ?それでも良かったら一緒に登ろう」といった内容の話をして「さようなら」をしました。そこで、僕は今朝Rちゃんと一緒に山に登ることを心に決め出勤していたのですが、お母さんと一緒に登園してきたのは弟のY君だけ。するとお母さんが「Rは昨日おばあちゃんの所に泊まったので後でおばあちゃんと来ます。でもきっと、ジーンズは履いてこないと思います」とおしゃっるのです。「わかりました!もし、スカートで来てもRちゃんが『登りたい』と言ったときは、怪我をしないように登ります」とお伝えしRちゃんを待ってみました。しばらくしておばあちゃんと登園してきたRちゃん。その姿を見てビックリ、な・な・なんと、ジーンズ嫌いのRちゃんがちゃん〜とジーンズを履いて登園してくれたではありませんか。「おはようございます」とおばあちゃんにご挨拶をすると、おばあちゃんは「今日は園長先生と山に登るからジーンズ履いて行くって言ってジーンズはいて来たんです」と笑顔で教えて下さったのです。そしておばあちゃんの隣りにはおばあちゃん以上の笑顔のRちゃんの姿が…。嬉しくなった僕は「Rちゃん、じゃあ、一緒に山に登ろう!まずはお部屋に行って荷物を片付けてH先生に『園長先生と山に登って良いですか?』って聞いて、大丈夫だったら、手袋とか準備しておいで」と保育室に送り出しました。しばらくすると手袋をしてジャンパーを着た照れた様子のRちゃんが職員室にやって来ました。RちゃんのH組では今日クッキー作りをするというのに、僕と一緒に山登りを選んでくれたことが嬉しくて、何があってもRちゃんと頂上まで行くことを心に決め山へ向かいました。最初は「えっ〜!?ここ登るの?何だか怖い」と言っていたRちゃんですが、保育園児初の登頂を成し遂げた時は何とも表現できない笑顔と声にならない言葉を発していました。この快挙に触発され、多くの5歳児が「園長先生僕たちも登りた〜い」ということになり登頂成功!そこでも多くの笑顔が見られ、M組のR君には「園長先生、ここに滑り台作って」と言われ、N組の数人には「園長先生、ここに秘密基地作って」と言われました。この言葉は何とかして山に登らせたいと思っていた僕にとっては最高の言葉であり、この子どもたちを山に登らせてよかったと思った瞬間でした。僕の念願を叶えてくれたのは、全てH組のRちゃんの果敢な挑戦と、ジーンズを履くという葛藤を乗り越えた結果だと思っています。天気が良ければ来週から保育園の登山ブームが起きることは間違いないでしょう。週末体力を充填し覚悟して出勤しなければ。
2013年02月15日(金) No.939 (園長日記)

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