Diary

現場主義


園長という何とも身分不相応な肩書きを頂き間もなく六年が過ぎようとしています。それまでは幼稚園教諭として毎日子どもたちと過ごしていたこともあり、保育園で一番落ち着く時は職員室でパソコンや書類に向って仕事をしている時ではなく、何といっても子どもたちと一緒にいる時です。しかし、最近そんな時間がとれていなかったことを感じていたこともあり、今日は極力職員室での仕事を減らし、子どもたちがどんなことをして過ごしているかカメラ片手に見てみることにしました。するとどうでしょう、雪が降っていたこともあり、今日は多くのクラスが保育室やホールで遊んでいました。5歳児M組の子どもたちは上手におりがみを折ったり、隠れ家のようなデンに人形やままごとの道具を運び込み遊んでいたり、そのお隣りのN組の子どもたちはリリアンに夢中になり真剣な表情で毛糸を編んでいたり、床に腹ばいになってカプラをドミノののように並べたり…。その隣りの4歳児A組ではR君の誕生日をお祝いするためにお母様にもいらして頂き誕生会を行い、その隣りのH組ではH先生がミシンを使い人形たちのために裁縫している様子を子どもたちが取り囲んで見ていたました。また、その隣りの3歳児T組ではカラフルな小麦粉粘土作りをしていて、そのまた隣りのH組ではお面を付けて劇をしていいました。こんな風に園舎内で遊んでいる中、2歳児クラスの子どもたちは防寒着に身を包み広い園庭を占領し雪遊びに興じていました。
 このようにそれぞれのクラスで子どもたちと先生たちが時間に追われることなく、やりたいことにじっくり関わっていてくれたことを再確認する事ができ、安心するだけでなく先生たちに感謝でした。また、クラスという枠を越えて楽しそうなことをしているところに「なにしてるの?」と声をかけて一緒に遊びに加わり笑顔で過ごしている様子も確認できました。このような自然な異年齢交流を経験することで、年長児の姿を見た子どもたちが、年長児を憧れの対象として見るようになり、反対に年長児は憧れの対象に相応しい行動を意識するようになるのだと思います。保育とは保育関係の学校で勉強しただけ、或いは保育に関する本を読んだだけではその全てを理解することなど出来ません。そのために、これからも極力職員室での仕事は要領よく済ませ、できるだけ子どもたちの間近にいることができる(見られる)現場主義の園長でいたいと思います。
2013年02月06日(水) No.929 (園長日記)

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