保育日記

そういえば

お泊まり保育を経験した５歳児クラスの子ども達が今朝どんな表情や姿で登園してくるか楽しみだったのですが、今日は宮城県保育協議会の所（園）長研修会があったため、その様子が見ることができませんでした。しかし、子ども達同士はもちろん、先生達ともお泊まり保育のことで話しに花を咲かせてくれたことでしょう。
　ところで、先日のお泊まり保育のことで書き忘れていたことがありました。それは、人生で初めての経験となった乳絞りのことに関することだったのですが、皆さんは一頭の牛から一日どれ位の牛乳が搾乳できると思いますか？僕は色々なことに興味関心を持つのですが、一頭の牛から一日どれ位のミルクが絞れるのか気になり、担当して下さった方に質問してみたのです。すると、「一頭の牛からだいたい35㍑とれます。」と返事が返ってきました。いくら牛乳好きとはいえど一日に何十㍑も飲む事は不可能でしょうし、一日1㍑ずつ飲んだとしても一ヶ月で30㍑程度、それを一日で絞れるとは…。しかもそれが10ヶ月続くというのですから驚き(@_@)でした。ご存知の通り、乳牛は基本的に牧草などを食べてタンパク質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などの栄養成分がバランス良く豊富に含まれる牛乳を作り出すのですから不思議です。しかし、イギリスで草を食べて生きているこの牛に、飼料として汚染肉骨粉を与えたために起きたのがBSE（狂牛病）と言われています。その狂牛病のことを研究なさっていた青山学院大学の福岡伸一先生の話を以前直接聞いたことがありますが、狂牛病の問題点の一つとして、「人間の都合だけで生物を操作し効率的なシステムを作ったことにある。効率的なシステムは、目先の効率だけを見たもので、生命現象としてとらえれば、実は無理があったシステムであった。栄養価が高い肉骨粉は本来子牛が食べるべきものではなかった。」と語っておられてのが印象に残っています。最近では狂牛病のことがニュースで取り上げられる事もなくなりましたが、牛を目の前にして「そういえば…」と福岡先生のことが思い浮かんだのでありました。もちろん、BSEは乳牛というより肉牛の問題だったのですが、牛の問題に限らず、エネルギー問題のことなど、人間の都合だけで効率的なシステムを作ると必ずしっぺ返しが来ることを忘れてはならないのだとつくづく思わされます。

2012年09月03日（月） No.793 (園長日記)

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