Diary

葛藤


昨年に続き、今年も大郷町の“ふれあい牧場”から羊を二頭連れて来てもらい、保育園で羊の毛刈りをしてもらいました。昨日から楽しみにしていてくれた子どもたちは、「園長先生、いつ、ひつじ来るの?」とか「ひつじ早くこないかなあ〜(^o^)」と言って園庭で遊びながら到着を待っていたり、反対に「ひつじ怖〜い(ーー;)」と心配そうにしていたり、年齢によって様々な反応が見られました。そして、主役のひつじが軽トラックに乗ってやって来るのを見つけた4歳児クラスの子ども達は「園長先生ひつじきたよ〜っ!!」とキラキラ目を輝かせ嬉しそうなに教えてくれました(^^)。その後はいうまでもなくひつじの乗った軽トラックを追いかけ、トラックを取り囲み、ひつじが降ろされるとどこから見つけてきたのか草を食べさせようとする優しい!?子どもにひつじも圧倒されていました。みんなで♪調子をそろえてクリッククリッククリックという毛刈りの歌を歌い、いざ毛刈りが始まると、ひつじがヤギのように変わっていく姿を身を乗り出し食い入るように見ていました。また、実際にバリカンを握り毛刈りを経験した子ども達・先生達はかなり興奮していました。今日刈り取った羊毛は二頭分でおそらく5kgか6kgなるかと思いますが、子ども達ときれいに洗い、今後の保育で使いたいと思います。
 さて、毛刈りをして下さったKさんにもランチルームで食事をして頂いたのですが、食後にKさんがひつじを軽トラックに乗せ、大郷町に向おうとしていた時、二階のベランダに4・5歳児クラスの子ども達が並び「(^O^)来てくれてありがとう!!」とか「バイバ〜イ!!また来てね」と手を振りながら声をかけてくれたのですが、よく見ると、それは全員、旧第一園舎で過ごしてきた子ども達。僕にとってはこの姿は子どもらしい当たり前の姿に思えたのですが、残りの2クラスの4・5歳児の姿が見られなかったことに、大きな違いを感じてしまい、心と頭の中に何かが引っかかりモヤモヤが残りました。保育所や幼稚園で子どもと関わる上で重要になる保育所保育指針や幼稚園教育要領の中には“子どもの主体性”を育てることの大切さが謳われているのですが、子どもの主体性を尊重し過ぎると放任と思われてしまうこともあります。反対に保育者の計画性を尊重し過ぎるとスパルタ教育となりかねません。そんな意味からしても保育をするということは常に「子どもの主体性と保育者の計画性」との鬩ぎ会い、葛藤の連続ということになるのでしょう。でも、やっぱり僕は子ども達が「嬉しかった」、「楽しかった」、「来てくれてありがとう」という気持ちを自由に表現できる主体性豊かな保育が理想です。
2012年06月15日(金) No.725 (園長日記)

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