Diary

正反対


今日はキ保連東北部会の放射線・震災特別委員会の活動で福島県中通りの幼稚園3園を尋ねて来ました。山形駅前に7:30分集合ということは仙山線では間に合わないため県庁市役所前6:10分発の始発の高速バスで山形へ向いました。こんなに早いバスに乗客なんていないと思いきや、驚いた事に朝早くからバス停に乗客が並んでいるではありませんか(@_@)。しかも、皆さん顔馴染らしく「おはようございます」と挨拶を交し合っているのです。仙台でさえ寒い朝、雪の多い山形に仕事に出掛けられるサラリーマンの方々に敬服させられました。そして、そんなサラリーマンを乗せるバスの運転手はもっと早くから仕事をしているかと思うとただただ驚くばかりです。驚くと言えば、仙台(太平洋側)ではこの季節でも青空は見えるのですが山形は殆ど雪か曇りの日が多く空はどんよりとしたグレーが続くのだそうです。もし青空が見えたとしてもほんの僅かだというのですから信じられません。確かに山形に向う車窓から見える山々はまるで水墨画を見ているかのようで大河原から見る蔵王が青空をハイライトにしていることがあるのとは正反対。そんな、山形ですがこの季節一足も二足も早く春を告げる「啓翁桜(けいおうざくら)」という綺麗な桜があるらしく、その啓翁桜を訪問する園にお届けすることができました。
 明日震災から10ヶ月を迎えることとなりますが、お尋ねした各園でこれまでどのような困難があり、今後どのような支援をして欲しいか伺いました。国は原発事故の収束宣言をしましたが、福島の幼稚園の実態は正反対で、園児数の激減という現実があり収束など程遠く、そんな中でも必死に保育をなさっている様子を再確認させられるとともに、人間(自分)の無力さを痛感させられました。心身ともに疲弊しているであろう園を励ますはずだったのが、ある園では子ども達が笑顔で讃美歌とお祈り、そして手作りのレイをプレゼントしてくれて反対に励まされたほどです。目に見えない放射線との闘いが少しでも早く本当の意味で収束・終結することを祈るばかりです。
2012年01月10日(火) No.588 (園長日記)

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