Diary

お国柄!?


この時期、5歳児の子ども達は急に文字や数字に興味や関心を示し始めます。今朝もRちゃんが「園長先生、わたし、字(ひらがな)書けるよ!」と言って地面に知っているひらがなを次々書き始めました。「へえ〜っ!じぶんでおぼえたの?」と聞いてみたところ「うん!じゃあ、園長先生書いて欲しい字R書くから言って」と言うのです。そこで「Rちゃんがすき」となるように一文字ずつ言ってみました。ところが、当のRちゃんは自分で地面に「Rちゃんがすき」と書いているにも関わらず、まだ文章として理解は出来ていなかったようなので、「Rちゃん、なんて書いたかわかる?」と聞いてみたのですが「???」終いには「園長先生読んでみて!」と言うのです。でも、僕は正直この程度の理解でいいのだと思います。
 幼稚園や保育園の教育方針・教育課程を作る際の土台、基準となるものに、それぞれ「幼稚園教育要領」と「保育所保育指針」というものがあります。その中には子どもが文字や数字に興味をもつようになるようにということが謳われているのですが、決して文字や数字を教えるとか覚えなければならないとは書かれていません。しかし、それをどう読み解くかによって子どもとの関わりも変わってきます。全国各地の幼稚園・保育園の中にはフラッシュカード等を使い、出てきた文字(漢字も含め)を見て一瞬で何が書かれていたか読み取ることに力を入れている園もあります。しかし、我々の保育園では文字や数字を教える事は一切していません。それよりも、この二度と戻る事のない、かけがえのない大切な乳幼児期には文字や数字を知るよりももっと大切なことがあると考えているからです。
 ただ、文字や数字だけでなく、子ども自らが何かに興味をもった時こそ成長のチャンスであり、そんな時に大人がどう関わるかが重要であることは間違いないことでしょう。ですから、子どもが何かに興味関心を持った場合には無理にやめさせる必要はないと思います。
 ご存知の方も多いかと思いますが、福祉先進国と言われる北欧の国デンマーク等では幼稚園や保育園で子どもに文字を教えることは法律で禁止されています。ところが上記のように日本は国として文字教育に関して法律に明記されているわけではないため、柔軟性はあるものの、解釈によって文字や数字への取り組みもまちまちになっているのでしょう。どちらが良くてどちらが悪いという比較ではなく、こんな風に国によって子育て観や価値観が違うのもお国柄が反映されていて面白いものです。
 さて、自分はいつころから文字を覚えたのか、正直しっかりとした記憶はありません。ただ確実に言える事は、当時の5歳だった自分よりも現代の子ども達の方が間違いなく文字認識が出来ていることです。本当に驚きです。
※今日はいつも以上にまとまりのない文章になってしまいました。m(__)m悪しからず。
2011年12月13日(火) No.570 (園長日記)

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