Diary

ブレーメンの音楽隊


 収穫感謝礼拝を守る事から始まった一週間が終わろうとしています。多くの恵みに感謝し、その恵みを一人占めする事なく他の人々にも喜びを分け合う事を伝える為に、子ども達は日頃お世話になっている方々の所に訪問に行ってくれました。其々の訪問先では、沢山の方々が喜んで下さった事は勿論の事、改めて私達は、日々多くの方々に支えられて過ごす事が出来ている事を気付かされた一週間でもありました。沢山の野菜や果物のご協力を頂きましてありがとうございました。
 さて、今日登園するなり、何だか落ち着かない様子でソワソワし「先生、お祈りしたらどんぐり探しに行こう?」と声を掛けてくれた4歳児のS君。今日は教会で礼拝を守る事を伝えると、礼拝を守ってから探しに行きたいと言うのです。何故どんぐりに拘るのか、何故今日なのか、S君のいつになく真剣な表情に圧倒されるながら話を聞き続けると、今日はS君のお父さんの誕生日との事でした。大好きなお父さんに誕生日プレゼントを作ってあげたいというS君の思いが、伝わってきました。S君に限らず、一年に一回皆平等にある誕生日という特別な日。S君は園や家庭で自分の誕生日を祝ってもらい嬉しい経験があるからこそ、大好きな人の為に自分も何かしてあげたいという気持ちになり、S君を動かしたのだと思います。礼拝後どんぐりを見つける事は出来ず、松ぼっくりを使いS君のお父さんに冠を作りました。「おめでとうってあげるんだ〜」と言いながら絵を描くS君の表情はとても優しく、お家の方に感謝する気持ちが育っている事を実感し一緒にプレゼントを作った私も嬉しい気持ちになりました。「今日の夜はお肉屋さん(焼き肉)に行くんだ〜」と焼き肉を食べてお祝いする事を嬉しそうに教えてくれました。S君が心をこめて作ったプレゼント。お父さんが喜ぶ顔が目に浮かびます。きっと素敵な一日になる事でしょう。
 最後に今日0歳児クラスであそんでいる友達の所に、5歳児のHちゃんと3歳児のRちゃんが荷物を届けてくれたのですが、保育室に来る途中にある鍵をどうやって開けたのか不思議に思い聞いて見ると、Hちゃんが「あのねHが馬にになってその上にRちゃんが乗って開けたんだ〜 」と自慢気に教えてくれました。その場面を実際に見ていたわけではありませんが、きっとブレーメンの音楽隊(グリム童話)の動物たちの様だったのではないかと想像します。それにしても子ども達が考える事、困った時に考え出す知恵は凄いものだなと感心させられました。
そして私は、ブレーメンの音楽隊に出てくるロバの様に仕事が出来なくなったからもういらないと言われる事のないようにしなくてはと気が引き締まる思いでもありました。
2011年11月26日(土) No.557 (保育日記)

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