Diary

なんでも屋さん!?


保育園に限らず、人間を相手にしていると何かしら新たなこと(面白いこと)が起こります。勿論、機械が相手であっても同じ時間は戻ることはありませんが、子どもと一緒に過ごしていると特に一人ひとりの成長や変化、その日の機嫌などが如実に分かるものです。3歳児のK君は最近、野球がお気に入りのようで、「えんちょうせんせい!、Kやきゅうするからボールなげて」とシャベルを抱えやる気満々!!そこでご希望通りにピッチャーになりボールを投げてあげると、振ったシャベルにボールが時々当たるのでK君はご満悦。K君曰く「おとうさんにおしえてもらった」とのことですが、お兄ちゃんも含め楽しく野球ごっこをしているのでしょうね。
 さて、普段子どもたちが奪い合うようにして砂場や園庭で使っている車があります。この車、部品が砂で摩耗したようなので修理をすることにしました。以前から部品は注文していたのですが、なかなか時間がなく気になっていたのですが、漸く自動車修理工場のおじさんになることができました。危険な作業でなければ修理をすることを子どもたちに見せることも必要で、それが物を大切にすることにつながったり、様々なことに興味を持つことにもつながったりするものです。そこで、2歳児クラスのH君が使っていた、H君お気に入りの赤い車の修理をしたので「Hくん、そのくるま直したいから園長先生に貸してくれない?」と告げると案の定、興味を示し「いいよ!Hみてる」と言って作業を見ていてくれました。結局は部品を交換しても変わらない結果に…。それでもH君は満足してくれたらしく「えんちょうせんせい、ありがとう!」と挨拶を残し、勢いよく車を走らせて行きました。
ところで、今日、北側園庭の木に沢山の毛虫が付いているのを発見しました。随分前にアメリカシロヒトリの駆除をしたのですが、いつの間にかまたやって来て葉を食べていたのです。このままでは子どもたちがかぶれてしまったり木が枯れてしまったりすることも考えられるので退治することにしました。でも殺虫剤では無理そうなので、ガスバーナーを手にいざ出陣!その作業を夢中で見守って!?くれたのは5歳児クラスのY君とT君。みんながクラスに戻っても「園長先生、ここにもいるよ」「ほら、そこにも!」と目を輝かせていました。残酷とも思えることなのですが、それより興味が勝ったようです。そして、夕方には同じクラスの女子軍団が僕が仕事をしている職員室にやって来て「園長先生!虫捕まえて」とのリクエスト。そう言われれば黙ってはおけないので誰も遊んでいない園庭に行き虫を探すことに。すると意外に子どもたちが喜ぶ虫はいるもの!大きめなバッタを見付けHちゃんに渡してあげるとHちゃんは指を噛まれ大慌て。そのバッタを再度捕まえ、今度は降園しようとしていた4歳児のT君に見せてあげようとしたら、T君は職員室へ上る階段まで脱兎のごとく逃げだし半べそ。普段元気いっぱいのT君にも苦手なものがあったことに気付かされました。いずれにしろ、保育園や幼稚園で働くということは、ある意味『なんでも屋さん』でなければいけないのでしょうね。
 明日は、放射線という見えないものと闘いながら保育をしている福島県南相馬市や宮城県南部にあるキ保連に加盟する幼稚園・保育園を訪ねてきます。大変な中でも子どもたちが笑顔で過ごしていることを祈りながら。
2011年08月23日(火) No.469 (園長日記)

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