保育日記

平和を考える③

今日は広島に続き長崎に原子力爆弾が投下された日です。広島同様・長崎でも世界平和を願い、世界各国から祈りが捧げられたことでしょう。ご存知の方も多いかと思いますが、広島に原爆を投下したＢ２９爆撃機の名前は『エノラ・ゲイ (Enola Gay) 』。爆弾のコードネームは『リトルボーイ』。長崎に原爆を投下したＢ２９爆撃機は『ボックスカー (Bockscar)』。爆弾のコードネームは『ファットマン』という名前でした。暗号名とはいえ、爆撃機にも爆弾にも名前が付けられていたことに驚きと違和感を覚えると同時にゲーム感覚で戦争をしていたかのような感じがします。こんな風に人間が理性を失ってしまうのが戦争なのかも知れません。
ところで、当然のことかと思いますが、広島や長崎は幼い頃から平和に対する教育がしっかりとなされているように感じます。そして、この時期、長崎でよく歌われている曲があります。
「あの子」というタイトルのこの曲の歌詞は、｢長崎の鐘」や「この子を残して」の著者、永井隆（長崎医科大学の放射線科の医師）博士によるものです。永井隆博士は、爆心地から700メートルの距離にある長崎医大の診察室にて被爆し右側頭動脈切断という重傷を負いながらも布を頭に巻くのみで、救いを求める人々の為に尽力しました。
私たちは66年前の現実から目を背けることなく、66年経った今、広島・長崎に起こったのと同じように放射線で苦しんでいる方々の苦しみや悩みを共有しなければならないと思います。間もなく東日本大震災から５ヶ月が過ぎるのですから。

「あの子」

壁に残ったらくがきの
幼い文字のあの子の名
呼んでひそかに　耳すます
ああ
あの子が生きていたならば

運動会のスピーカー
聞こえるへやに　だしてみる
テープ切ったるユニフォーム
ああ
あの子が生きていたならば

ついに帰らぬおもかげと
知ってはいても夕焼けの
かどに出てみる葉鶏頭
ああ
あの子が生きていたならば

原爆によって一瞬に消えてしまったあの子
学校の壁に、人々の記憶に残っているあの子の名残り
もういないとわかっていても、夕暮れになると帰ってきそうで迎えにでてしまう残された人の気持ちがとてもやさしくて悲しい歌です。

このような曲が二度と作られることのないように願わずにいられません。

2011年08月09日（火） No.461 (園長日記)

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