Diary

平和を考える


今から66年前の明日は世界で初めて広島に原子力爆弾が投下された日です。いつもと変わらなかった朝、突然の閃光と共に熱風が人々を襲い、多くの方々が命を落とされました。そして、放射線で被曝した街はヒロシマとなってしまいました。明日行われる記念式典には国内外から大勢の方が訪れ、広島の中心部、平和記念公園や広島平和記念資料館、原爆ドーム付近では祈りが捧げられることでしょう。
随分前になりますが初めて広島を訪れた際、原爆資料館で「わたしがちいさかったときに」という本を買い求めました。この本は当時の子どもが書いた詩や作文がまとめられているのですが、読んで気付く(思う)事は僕を含め、現代の若者以上に文章が書けていること。また、何よりも戦争がいかに愚かな事かという事でしょう。そして、それを知った自分が今出来ることは、福島第一原発事故による放射能により福島がフクシマとならないように広島に集う方々の祈りと共に祈ることくらいでしょう。今日明日と福島県石川町にて開催されるキリスト教保育連盟東北部会の研修会にM先生・A先生と一緒に出掛けてきます。線量の高い所で保育をしなければならない先生方の苦労を共有し、子ども達にとって安心・安全が与えられるよう願いながら良き学びをして来たいと思います。最後に、平和を願い、「わたしがちいさかったときに」の中から当時小学校五年生佐藤智子さんが書いた文章と峠三吉という詩人の有名な詩を紹介します。

無題   佐藤智子
よしこちゃんが
やけどでねていて
とまとがたべたいというので
お母ちゃんが
かい出しに
いっている間に
よしこちゃんは
死んでいた
いもばっかしたべさせて
ころしちゃったねと
お母ちゃんは
ないた
わたしも
ないた
みんなも
ないた


『序』    峠 三吉

ちちをかえせ
としよりをかえせ
こどもをかえせ
 
わたしをかえせ わたしにつながる
にんげんをかえせ

にんげんの にんげんのよにあるかぎり
くずれぬへいわを
へいわをかえせ

2011年08月05日(金) No.458 (園長日記)

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