Diary

以心伝心


 子ども達にとって保育園で過ごす一日がどんなに楽しくても、お家の方が迎えに来て下さる時間ほど嬉しい時はないのではと思います。それを実証してくれる出来事がありました。
電車や車が好きな一歳児のK君、雨が降り出した外を見ながら、網戸を道路に見立て、木製の車の玩具を走らせ遊んでいました。すると「お世話さまで〜す」とお迎えに来たお父様の声。保育者が「K君、お父様がお迎えにいらして下さったよ」と言う前にK君はさっと振り返り、保育室入口に走り寄って行きました。そうです。K君はお父様の姿を見なくとも声だけでお父さんだというのが分かったのです。K君が感じた通りそこにはK君のお父様がいらっしゃり、K君はお父様の胸に「おかえり」と言わんばかりの喜びいっぱいの表情で飛び込み、お父様も嬉しさを隠しきれないご様子でした。
暑い日が続き、保護者の皆さまがお仕事で疲れて帰ってこられたとしても、子ども達がお家の方をこんな風に迎えてくれたならば、保護者の方々の仕事の疲れはあっという間に飛んでしまうのではないかと思いました。
また、K君と一緒に遊んでいたH君はK君のお迎えが来た事が羨ましくなったのか、何かを感じたのか突然「ママくる」と一言。するとそれがお母様に伝わったかの様な良いタイミングで「こんばんは〜」とお迎えがきました。H君は(なんで分かったの?)と言いたそうな表情を見せ、喜びよりは驚きの方が強かった様子でしたが、何はともあれ、気持ちが伝わった嬉しさでH君は満面の笑みを見せ帰って行きました。改めて、保護者の方がお迎えに来て下さる帰りの時間に、例え担任でなくとも、子ども達の一日の様子をお伝えしたり子ども達の成長を喜び合える大切な時間にしたいと思いました。
2011年07月14日(木) No.440 (保育日記)

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