保育日記

「保育園は壊さないでねえ～！」

今朝子どもたちの迎え入れをしていると“バリバリバリ”という音がどこからともなく聞こえてきました。そこで、その音の元を探したところ、保育園の門の所から見える家の解体作業が始まったのでした。そんな作業を子どもたちはなかなか見る事はできないと思い、楽しそうに遊んでいる最中の子どもたちに悪いと思いつつ「ねえ、ねえ、お家壊してるんだけど、見たいお友達いない？」と誘ってみると、「えっ！？どこどこ？」とか「見る見る」「見たい見たい！」と子どもたちは予想通りの反応を示してくれて、遠くで作業する重機の動きを見ることとなりました。しかし、少々高くなっている花壇の淵に立てる子どもたちの人数は知れたもの。そこで、「階段に登って見ると良く見えるよ」と職員室まで続く階段で見る事を提案すると、みんな喜んで階段に登り「見える見える」とニコニコ。そのうち「お～い！ほいくえんはこわさないでね～っ」と大声で叫ぶ子どもたち。勿論何百㍍も離れている所まで子どもたちの声が届くはずも、保育園が壊されることもありえないのですが、子どもたちの切実なる思いが伝わりました。そしてそんな子どもたちの気持ちを知ると何とも愛おしく思いました。古く狭い保育園であっても子どもたちにとってなくてはならない楽園なのです。しかし、そんな楽園でなければならない保育園でも時に子どもたちが嫌な思いをしたり、保護者の方々が心配してしまうことが起きたり、保育者が落ち込んでしまったりするようなことが起こる事も事実です。しかし、そんな時こそお互いが支え合い、一緒に成長していける人間関係がある保育園、組織でありたいと思います。まだまだ足りない事だらけですが…。

2011年01月13日（木） No.303 (園長日記)

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