Diary

11ぴきのねことぶた


子ども達に人気のある絵本に“11ぴきのねこ”シリーズがあります。その中に、僕の好きな“11ぴきのねことぶた”という本があります。何とも間抜けなぶたがおじさんのいえを訪ねていくのですが、そのおじさんのうちは11ぴきのねこが占領していて・・・」その後はいつものようにドタバタが続くそんなストーリーなのですが、正に今日、卒園記念の家で遊ぶ子ども達は“11ぴきのねこ”といった感じ。恐る恐る梯子を登る子どもから、“おいおいそんな所から降りようとして大丈夫”!?と思わせるような猛者も・・・。それでもみんなが待ちに待った二階建てのお家が出来たのですから嬉しいのは当たり前。山に登ったわけでもないのに、大声で「ヤッホー!!」とか「お〜い!!」と叫ぶ姿が朝の保育から夕方の保育まで続きました。近所の方々は「第一光の子保育園ではいったい何が起こったのだろう!?」と思っているか「季節の変わり目だから仕方がない」と思っているかも知れません。
 さて、先程の“11ぴきのねことぶた”の話に戻りますが、あの本の面白さはいつものドタバタだけでなく、もしかすると随分前の映画になりますが「スタンド バイ ミー」でのツリーハウスや冒険といった男の本能とでもいうべき所をくすぐる何かがあるからなのかも知れません。その何かそれは“自分だけの秘密基地作り”“秘密の共有”なのかも知れません。思えば幼い頃、兄や弟、近所の友だちと一緒に庭に基地なるものを作って遊んだものです。それは今回建てて頂いた様な立派なものではなく、枝やゴザやトタンなどで作った本当に粗末なバラックでした!!それでも自分達には立派な秘密基地であり格好の隠れ家でした。勿論、少々強い風が吹いただけで傾き、誰かが寄り掛かろうものなら寄り掛かった者と共に基地は倒壊。それでも何度も建て直すことを繰り返し倒壊しにくい基地へと進化させたものでした。しかし、現代ではそんなスペースも材料も仲間もなかなかないのが事実。その現代失われつつある、昔の良さを保育園で少しでも子ども達へ与えてあげられればと願っています。二階に登りたくても上手に登れない小さなお友達に登り方を教えてあげたり、励ましたり。そんな異年齢の交わりが自然にできる保育園である事が理想です。命に関わることや重大事故に関わることを肯定するのではありませんが、危険な事を全て禁止するのではなく、実体験を大切に考え、時に幼い時に実際に痛い経験や危ない経験をすることは人間として成長していくには必要不可欠で実はとても大切な事なのででしょうか。
2010年03月08日(月) No.65 (園長日記)

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