保育日記

冬眠を前に

今日の日中は日差しが暖かく、少し体を動かすだけで汗ばむ陽気となりました。そんなこともあり、このところ食欲が落ちてきた保育園のカメも今日はいつものように大きく口を開け、毎日変わりばいしない餌を食べてくれていました。本当ならば我々が食べている給食のように日替わりで色々な餌を食べたいのかも知れませんが自分で餌を取ることができるはずもないため、結局お腹が空けば毎日同じ餌を食べざるを得ないので仕方なく食べているのでしょう。特にここ2週間は子どもたちは新しくなった園庭の環境が嬉しくて、いつもならば夢中でバッタやトンボを追いかけている4・5歳児クラスの子どもたちもブランコや木登りに夢中になっていることもあり、時々差し入れしてくれるミミズやバッタや幼虫といったいつもの餌と違うご馳走にありつけることができません。しかし、この時期にしっかりと食べておかなければ冬の間ゆっくり休むことはできなくなるので我慢の時期なのでしょう。先日までよく見かけたカエルもあまり見られなくなりバッタやトンボも子孫を残すために必死になっていることと思います。また、暑い夏でも忙しそうに働いていたアリも見かけることが少なくなってきましたので、きっと土の中でしっかりと冬ごもりの準備をしているということなのでしょう。同様にみんなから嫌われることの多いヘビも冬眠の準備を始めることになるのでしょうが、今日の暖かさに誘われたのか、隣接する運動場のアスファルトの坂で日光浴をしていたらしく、銀行から帰ってきた事務のHさんが「園長先生すみません。あの～、坂のところにこの前出たのと同じヘビがいました。」というのです。ということは、毒を持っている「ヤマカガシ」の可能性大。そこで、レーキを持ってヘビ退治に行くことにしました。すると案の定、ヤマカガシが本当に気持ちよさそうに日光浴の真っ最中。しかし、ヘビまで10㍍といったところまで近づくと何かを感じたのか逃げ出し始めました。もしシマヘビやアオダイショウといった毒を持たないヘビであればそのまま逃がしてあげて園に戻ったかと思いますが、子どもたちが散歩に出かけた時、噛まれるなんてことがあってはなりません。そこで、かなり逡巡したものの心を鬼にして「ゴメンなさい」と思いながら「冬眠」ではなく「永眠」してもらいましたが、もし、今日こんなに暖かくなかったらあのヘビはきっと冬眠できただろうと思うと「・・・」。自分で殺めておきながら、思い浮かぶことは「本当にゴメンなさい」それだけです。

2016年10月18日（火） No.1919 (園長日記)

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